Interview

先輩社員インタビュー 石井

石井 孝幸さん

設計(基本計画)

TAKAYUKI ISHII

石井 孝幸

基本設計は船の性能設計。
どれだけ速力が出せるか、どれだけの荷物を運べるのかが、船の一生を決めるんです。


2019年入社

新造船事業本部 設計本部 基本設計部 基本計画室

船体の設計で速力と積載量は決まる

設計作業をする石井さん

速力や貨物積載能力など、船舶の性能に関する設計をしています。船が水に浸かっている面積が広がるほど、波による抵抗が大きくなり、速力や航海に必要な燃料に影響がでます。そのため、波からの抵抗を最小限に留め、その上でできるだけ多くの貨物が積めるように設計しています。このバランスを考えることが特に難しいです。
船種によって、どれだけ燃費が良いか、どれだけ多くの貨物を運べるのか、求められる能力が異なります。船主様と相談しながら、積荷の種類や輸送の際に必要な積載量を考慮し、できるだけ輸送コストを抑えた設計ができるよう努力していきます。

設計に必要不可欠なもの

プロジェクターで説明をする石井さん

フェリーやRORO船、コンテナ船などの船の基本設計を経験しました。船種ごとに安全対策や環境問題に対するルールが厳しく設定されており、設計にはそれらの知識が必要不可欠です。
様々な船種を扱っている内海造船だからこそ、設計で得た知識をほかの船種にもフィードバックすることができます。また、設計者として求められる基準をクリアすることは当然ですが、さらに一つ上の品質を目標にした船づくりを提案できるかが腕のみせどころです。
内海造船は波の抵抗を抑える「ステップ」という省エネ装置といった特許技術も持っています。しかしながら、むやみに装置を取り付ければ良いわけではありません。船の重量が増え荷物の積載量が減る、というデメリットも考慮したうえで、全体のバランスを考えて設計していく必要があります。

自分の提案した設計が採用される喜び

フェリー

設計部門には、私たち基本設計のほかに船殻設計、艤装設計、機電設計があります。船づくりにおいて、基本設計が最初に行われるため、各設計の担当者と意見を交換しながら連携して設計を進める必要があります。お互いの立場で様々な意見が出てきますが、性能・利便性・コストなど、あらゆる面のメリットやデメリットについてしっかり考慮していきます。
多くの経験を重ねてきたことで、自分の意見を明確に提案することができるようになりました。練りに練った設計方針を社内外の方々にプレゼンテーションし、採用されたときは心から嬉しく思いました。

基本設計は「船の一生を決める」仕事

笑顔の石井さん

船型をどのようなコンセプトで作るかは、設計担当者に一任されています。完成すると仕様は変更することができないため、基本設計は「船の一生を決める」責任の大きな仕事です。簡単ではないからこそ、常に学び続け、より安心して利用してもらえる設計を手掛けていきたいと思います。
私が初めて初期設計から担当した船は、台湾国内のフェリーでした。
就航後に、船を利用したお客さまからお礼の言葉をいただく機会があり、「自分が船を造ったんだ」という感動が込み上げてきたことを鮮明に覚えています。これから新たな壁に当たることもあると思いますが、その経験を私の原動力として日々チャレンジしていきたいです。

一日のスケジュール

8時
8:00
設計作業開始

担当している船の設計をします。それぞれの仕様を確認しながら、船体の形状やタンク形状、速力性能など、性能に関わる設計がルールに合致しているか確認を進めていきます。

設計
10時00分
10:00
他の設計士とミーティング

船殻、艤装、機電などの設計担当者と常に情報交換しながら進めていきます。
船の仕様のレビューを行い、今までの実績と比較検討しながら、船主さんに提出する内容を決定します。

ミーティング
11時00分
11:00
再度、設計作業

ミーティングで決まったこと、いただいた意見を参考にしながら、設計をし直すことも。図面の修正作業を進めていきます。

16時00分
16:00
社内資料を整理

基本設計が完了したら、一度船主さんに確認を取るために設計図を提出します。
あわせて提出するための仕様書などの作成も行います。

17時00分
17:00
終業

設計作業を終えて今日の作業を振り返ります。
提出するための書類の見直しを完了させて終業になります。

オフの過ごし方

週末、時間があるときにはDIYやガーデニングを楽しんでいます。おしゃれな家具や北欧のインテリアが個人的に好きなので、雑貨屋さんや家具屋さんをめぐっては、 アイデアをイメージして、好みのデザインでデスクやヘッドボードなどを製作しています。また、天気の良い日には庭の外構をして、着々に庭を完成させていくのが 週末の楽しみとなっています。

DIY1
DIY2
DIY3