Interview

先輩社員インタビュー 横田

横田 純さん

設計(基本)

JUN YOKOTA

横田 純

基本設計は船の性能設計。
どれだけ速力が出せるか、どれだけの荷物を運べるのかが、船の一生を決めるんです。


2011年入社

新造船事業本部 設計本部 設計統括部 基本設計部 基本計画室

船体の設計で速力と積載量は決まる

設計作業をする横田さん

速力や貨物積載能力など、船舶の性能に関する設計をしています。船が水に浸かっている面積が広がるほど、波による抵抗が大きくなり、速力や航海に必要な燃料に影響がでます。そのため、波からの抵抗を最小限に留め、その上でできるだけ多くの貨物が積めるように設計しています。このバランスを考えることが特に難しいです。
私が主に担当している船種は自動車運搬船です。この船種で一番に問われるのは、どれだけの速力が出せるか、どれだけ多くの車両を運べるのか、という輸送能力です。船主様と相談しながら、積荷の生産量や輸送の際に必要な積載量を考慮し、できるだけ輸送コストを抑えた設計ができるよう努力していきます。

設計に必要不可欠なもの

プロジェクターで説明をする横田さん

自動車運搬船のほかにも、タンカーやフェリー、コンテナ船などの船の基本設計を経験しました。船種ごとに安全対策や環境問題に対するルールが厳しく設定されており、設計にはそれらの知識が必要不可欠です。様々な船種を扱っている内海造船だからこそ、設計で得た知識をほかの船種にもフィードバックすることができます。また、設計者として求められる基準をクリアすることは当然ですが、さらに一つ上の品質を目標にした船づくりを提案できるかが腕のみせどころです。
内海造船は波の抵抗を抑える「ステップ」という省エネ装置といった特許技術も持っています。しかしながら、むやみに装置を取り付ければ良いわけではありません。船の重量が増え荷物の積載量が減る、というデメリットも考慮したうえで、全体のバランスを考えて設計していく必要があります。

自分の提案した設計が採用される喜び

フェリー

設計部門には、私たち基本設計のほかに船殻設計、艤装設計、機電設計があります。船づくりにおいて、基本設計が最初に行われるため、各設計の担当者と意見を交換しながら連携して設計を進める必要があります。お互いの立場で様々な意見が出てきますが、性能・利便性・コストなど、あらゆる面のメリットやデメリットについてしっかり考慮していきます。
多くの経験を重ねてきたことで、自分の意見を明確に提案することができるようになりました。練りに練った設計方針を社内外の方々にプレゼンテーションし、採用されたときは心から嬉しく思いました。

基本設計は「船の一生を決める」仕事

笑顔の横田さん

船型をどのようなコンセプトで作るかは、設計担当者に一任されています。完成すると仕様は変更することができないため、基本設計は「船の一生を決める」責任の大きな仕事です。簡単ではないからこそ、常に学び続け、より安心して利用してもらえる設計を手掛けていきたいと思います。
これから新しい壁にあたることもあると思いますが、初めて担当した、伊豆諸島を航海するフェリーを利用されているお客さまからお礼の言葉をいただいた時のことを原動力に、これからも取り組んでいきます。

一日のスケジュール

8時
8:00
設計作業開始

担当している船の設計をします。それぞれの仕様を確認しながら、船体の形状やタンク形状、速力性能など、性能に関わる設計がルールに合致しているか確認を進めていきます。

設計
10時00分
10:00
他の設計士とミーティング

船殻、艤装、機電などの設計担当者と常に情報交換しながら進めていきます。
船の仕様のレビューを行い、今までの実績と比較検討しながら、船主さんに提出する内容を決定します。

ミーティング
11時00分
11:00
再度、設計作業

ミーティングで決まったこと、いただいた意見を参考にしながら、設計をし直すことも。図面の修正作業を進めていきます。

16時00分
16:00
社内資料を整理

基本設計が完了したら、一度船主さんに確認を取るために設計図を提出します。
あわせて提出するための仕様書などの作成も行います。

17時00分
17:00
終業

設計作業を終えて今日の作業を振り返ります。
提出するための書類の見直しを完了させて終業になります。

オフの過ごし方

時間をしっかり確保できるときは、登山に出かけています。山は主に、岐阜県の北アルプス。海外ではエベレストのふもとまでは行ったことがあるんですよ。4年くらいの登山キャリアですが今までで20くらいの山に登りました。一歩一歩景色が変わっていく。進まなければ頂上へたどり着けないからこそ達成感も大きい。一つひとつ着実に進んでいかなければいけないところは船づくりに似ていますね。

登山1
登山2
登山3