Interview

先輩社員インタビュー 立見

立見 真吾さん

設計(機装)

SHINGO TATSUMI

立見 真吾

機関室を人間に例えると、まさしく心臓。
船全体にエネルギーを運ぶ道を設計しています。


2011年入社

新造船事業本部 設計本部 設計統括部 詳細設計部 詳細機電室

船の心臓部を設計する

設計作業をする立見さん

船の機関室(エンジンルーム)には動力の源である主機関(メインエンジン)、電気を作る発電機関、そしてそれらを動かすための燃料や、冷却水等を供給するポンプ類など様々な機器が設置されています。また、機関室の各所には通風ダクトや通路、階段などをはじめ、「艤装品」と呼ばれる様々な機器があります。これらの配置を考え、機器同士をつなぐ配管を設計するのが機装設計の仕事です。家に例えるなら、引越したばかりの何もない部屋にテーブルやベッドなどの家具を配置したり、キッチンに水を供給するための配管を通すようなものです。もちろん、設計者だけの都合のいいように配置すれば良いわけではありません。船で働く人にとって使いやすく、設計上でも無駄のないスマートな配置が重要です。

設計者同士のかかわりの中で得られるもの

ミーティング中の立見さん

船の設計には3つの大きな分野があります。最初に船の性能を決める「基本設計」、つぎに船体そのものを設計する「船殻設計」、そして船に搭載されるあらゆるものを設計する「艤装設計」の3つに分類されます。各分野の設計はさらに細かく分類されており、私の所属する「機装設計」は「艤装設計」の中の一つです。各分野の設計者はそれぞれが自分なりの設計思想を持っていますが、自分の担当箇所の都合だけで設計してしまうと、他の分野でつじつまが合わなくります。そうならないためにも日々の仕事の中で異なる分野の設計者同士が意見を交換し合い、より広い視野から設計を進めて行くことが大切だと言えます。自分の専門だけでなく、他分野からの知識や経験を吸収することが、自分自身を設計者として大きく成長させる秘訣です。

現場で見て気づき、大きく成長

建造船

普段は事務所でパソコンの前に座り、図面と睨めっこしていることがほとんどです。しかし、機関室は狭い空間に機器や配管が入り乱れていて、図面のみではイメージが難しいこともあります。図面の中で十分に検討しても、現場に出て実物を見ることで気づく課題もたくさんあります。現場の進み具合を見に来ている船員さんから「この部分の配管が移動の際に邪魔になる」、「この弁の位置はもう少し低い方が使いやすい」といった意見を頂くこともあります。船は、輸送手段である以上に、船員さんの生活、仕事の場です。パソコンに向き合うだけではなく、時には現場で学び、それを次の設計に活かすことがより良い船造りに結び付くと考えています。

失敗から学び、設計の引き出しを増やす

笑顔の立見さん

私がこれまでにたくさんの船に関わってきた中で、様々な失敗を経験しました。小さな見落としが原因のものや、1つのミスからたくさんの人に迷惑をかけてしまったもこともあります。そういった時、「失敗した」だけで終わらせては何も変わりません。「なぜ失敗した」、「どこが悪かった」を自分の中で振り返り、次の仕事に生かしていくことが大切だと考えています。失敗から学ぶことで自分自身が成長することにつながるのはもちろん、失敗の経験を後輩に伝えていくことが、会社として同じ失敗を繰り返さないことにもつながります。 また、日々新しいことをに取り組み、勉強することは仕事をする上でとても大切です。社会と同じように、造船の世界にもたくさんの法律や規則があります。時代と共に変わるこれらのルールをいち早く学び、自らの設計の中に対応させていかなければなりません。

一日のスケジュール

8時00分
8:00
設計作業

朝礼の後、設計作業から一日がはじまります。
今、手掛けているのは燃料などの油を運ぶタンカーの設計です。設計上の疑問があると、他部門の設計と打ち合わせをして解決しながら進めます。

設計作業
10時00分
10:00
現場からの確認事項に対応

現場からの確認事項に対応します。現場からの問い合わせの内容に迅速で的確な指示を出せることも大切。日々の経験の中で、様々な状況に対応できる判断力を養っています。

13時00分
13:00
船主さんと打合せ

直近の問題にどのように対応したか、今後のプランなどを船主さんに報告。必要に応じて意見をいただきます。その後、実際に現場へ行き、具体的な指示を出していきます。

打合せ
15時00分
15:00
担当する他の船の設計を行う

担当する船は2~3隻くらいあります。
同時に進めるのは大変ですが、船種ごとに学べることも様々で、それらの経験がほかの船にも活かしていきます。

17時00分
17:00
終業

一日の作業進度や明日の予定を確認し終業です。

オフの過ごし方

友人とロードバイクで出かけることでリフレッシュしています。

内海造船は、しまなみ海道の島々のひとつである生口島・因島にあります。ここはサイクリングのメッカでもあり、世界中から毎年多くのサイクリストがやって来ます。私は自転車旅が大好きで、大学時代には自転車で日本縦断をしたこともあります。 休日は自転車で瀬戸内海の島々を自転車で走り、時にはテントを積んでキャンプツーリングに出かけています。 瀬戸内海の島々は気候も穏やかで、島独特のゆったりとした時間が流れています。皆さんも瀬戸内で時間を忘れてスローライフを楽しんでみませんか。

サイクリング1
サイクリング2
サイクリング3